3.廃棄物の処理

使用残の有機過酸化物、漏洩した有機過酸化物の回収物や清掃した後の廃棄物は、再使用することなく処理しなくてはなりません。
処理方法として最も一般的で推奨されるのが焼却処理です。他に加水分解法、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)用の処理方法として樹脂硬化法があります。

1)焼却処理
高沸点溶剤あるいは木粉と混合して、有機過酸化物濃度を10%以下または活性酸素量1%以下の濃度まで希釈し、焼却炉で焼却処理します。自社で焼却処理が困難な場合、産業廃棄物として焼却処理ができる外部業者もあり紹介が可能ですので、有機過酸化物の製造メーカーにご相談ください。

2)加水分解法
少量の有機過酸化物の処理方法として、加水分解法があります。処理する有機過酸化物の10倍量の20%水酸化ナトリウム水溶液に有機過酸化物を攪拌しながら少しずつ添加し分解させる方法です。若干の発熱を伴いますが、安全上の問題はありません。完全分解には12〜24時間かかります。この処理の後、有機層を分離して焼却処理してください。
以下のタイプの有機過酸化物に対して適用が可能です。
ケトンパーオキサイド
ジアシルパーオキサイド
パーオキシジカーボネート

3)樹脂硬化法
不飽和ポリエステル樹脂の常温硬化剤として使用されているMEKPOの処理方法として推奨されます。
金属容器に1/4以下の不飽和ポリエステル樹脂(所定量の促進剤を含む)を入れ、樹脂量の20%以下の量のMEKPOを添加して十分に攪拌後、樹脂と同量以上の水を注ぎ込みます。樹脂の反応性によって変わりますが、ガスを発生しながら20〜30分ほどで最高発熱温度に達してMEKPOが消失します。冷却後、通常の産業廃棄物として処理してください。
発生ガスは引火する可能性がありますので、火気、着火源のないところで作業してください。